~受験日前夜の君へ~(すべての受験生に贈る言葉)

2019年10月18日

今、君はこれからの人生が決まるかもしれない一日を前にして・・

士気を鼓舞し、勇猛果敢に振る舞っているかもしれない

努めて冷静を装い、平常心を保てているかもしれない

あるいは・・

興奮でとても眠れそうになく、焦りが募っているかもしれない

震えが止まらず、逃げ出したくなっているかもしれない

僕は、そういう焦って逃げ出したくなっているようなひとに向けて、このメッセージを書いている

受験なんて何も怖がることはない

うまくいかなくても、鬼に食われるわけではない、人生が終わるわけでもない

その学校に入れなくったって、むしろその先に、かえっていい未来が待っているかもしれない

でも、これまでせっかく努力してきたのだから、実力を振り絞りたい気持ちもよく分かる

そのためには、どうすればいいか、どう考えればいいか、少しばかりアドバイスしたい

・もし、興奮で眠れなかったとしても・・

大丈夫。”火事場の馬鹿力”といって、大事なときには持ってる力の八割は必ず出るもんだ

眠れなければ少々しんどいけれど、興奮しているから疲れは感じない、だから最後までやれる

ひとの身体は、本当にうまくできている

・まわりの受験生がすごそう・・

大丈夫。虚勢を張っているだけ

彼らの誰もが、君と同じ不安とどう向き合うかで苦しんでいる

実は、彼らの目にも、君が”すごそう”に見えているんだ

・試験監督官がとても怖そう・・

大丈夫。彼らは役割上、不正に目を光らせなければならないから、怖そうに見せているだけ

不正なんて考えない君には、むしろ味方になってくれる

仮におなかが痛くなったら遠慮無く彼らを呼ぼう

絶対君の力になってくれるはずだ

試験監督官にも、受験生の緊張・苦しみはよく分かっているんだよ

・問題がとても難しそう・・

まずは深呼吸をしよう、そして問題用紙全体を見通そう

すぐに問題に取りかかり答えを書き出したい気持ちは分かるが、それではこれから登る”山”の全貌が見えない

そして難しそうな問題、君の苦手なジャンルの問題は後回し

試験では「好物から先にいただく」のが鉄則だ

また、難しい問題は誰にとっても難しいのだから、できなくても当然だ

余裕がないなら、捨てる勇気も必要だ

大切なことは、誰もができる易しい問題は決して落とさないこと

そして、君の”大好物”でアドバンテージを得ること

さらに重要なこと、それは「出題者との対話」だ

出題者は、受験生をふるいにかけて落とそうと意地悪をたくらんでいるように見えるかもしれない

でもそんなはずはない

忙しい先生達がそんなくだらない動機で試験作りをするはずがない

本当は「熱意のある学生と、試験問題を交え対話をしたい」のである

例えば国語なら、問題文を読むのは後で、まずは設問を読むべきなのだ

出題者は何を考えて、この出題をしているか

それを汲み取った君が、誠心誠意の答えを返す、それが出題者が求める「君との会話」だ

だから、答案用紙をくちゃくちゃにしたり、殴り書きしてはいけない

これでは会話にならないし、そもそも「そのような答案にはいい解答はされていない」と出題者はあらかじめ知っているから、相手にしてくれないのだ

試験というのは、終わってみると分かるんだが、勝ち負けなどではない

大勢の受験生が一緒の会場に並べられるから勘違いするんだが

君の学力の達成の程度を、出題者に分かってもらうプレゼンの場なんだ

でも普通のプレゼンみたいに皆の前で発表する必要なんてない

答案用紙は、君の入りたい学校への、そして君のなりたい仕事への”ラブレター”なんだと思って懸命に書くんだ

君の思いが強ければ、必ず伝わるはずだ

それを信じて、明日の朝を迎えよう

僕も、君の思いがかなうことを信じているよ

熊木徹夫

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