書評『コンビニ人間』村田 沙耶香(文藝春秋)
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珍しく、話題になったばかりの芥川賞受賞作を読んでみた。
コンビニだけに繊細に適応してきた主人公は、世間的には常識外れの人物だが、彼女自身そのことがなかなか了解できない。
かといっ ...
<熊木による書籍紹介> 『自閉症スペクトラムの精神病理』内海健(医学書院)
『自閉症スペクトラムの精神病理』内海健(医学書院)
本書は、青年期・成人期の「自閉症スペクトラム」(成人ASD。以下、ASDとする)を対象とした精神病理学的考察である。
ASDについては、過去にも重要な著
書評『心はどこまで脳なのだろうか』(兼本浩祐著:医学書院)(雑誌「こころの科学」より転載)
一言一句噛みしめながら読んだ。通読し終えた後、すぐさま同じ兼本先生が書かれた一つの論文と一つの書籍が脳裏をよぎった。本書の下敷きにもなっている論文「原罪としてのコギト~『生命のかたち/かたちの生命』を読んで」と、『てんかん学ハンドブ ...
中井久夫随想~論文「薬物使用の原則と体験としての服薬」をめぐって~
中井久夫には多彩な貌がある。臨床家(精神科医)・医学研究者・訳詩家・詩人・エッセイストなど。そのいずれにも共通するのは、実践家であり体験の伝承者であるということ。評者は中井と同じく精神科医であるが、その経験年数において多大な格差がある ...