むずむず脚症候群とアカシジア ~『精神科のくすりを語ろう・その2~~』(日本評論社)より~

2019年10月19日

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<ムズムズ解消のために飲み始めたが、0.5mgから効果が体感できた(症状が軽減した)。その後1.5mgまで増やしていったが、適量を超えると、一日中極度の眠気におそわれる。
(4475 アヴェさん)>

むずむず脚症候群(restless legs syndrome、RLS)という疾患があります。
手足が特に就寝時にむずむずし、いてもたってもいられない、というものです。
これには、原発性のものと続発性(厳密に言えば、疾患原性と薬物原性)のものがあります。
疾患原性のものが疑われる場合、まず大本となっている疾患の治療が優先されます。
それで取り切れないむずむずが残存するなら、初めて薬物処方が試みられます。
薬物原性のものが疑われる場合、基となっている薬物の減薬を試みるのが常道ですが、たとえむずむずが起こってきていてもそれを凌ぐ薬効が得られている場合、更にこのむずむずを解くための処方が考慮されます。
また、原発性(原因不明であることが多い)のむずむずもあり、その場合も薬物処方が検討されます。
むずむず脚症候群で健康保険の適応となっている薬物は、ビ・シフロール(プラミペキソール。ドパミン作動薬)とレグナイト(ガバペンチン エナカルビル)です。
レグナイトは、リリカ(プレガバリン)と同様、ガバペン(ガバペンチン)のプロドラッグです。
よって、むずむず脚症候群の治療だけでなく、感情調整・鎮痛の作用も期待できます。
保険適応にはなっていませんが、リボトリールはむずむず脚症候群に古くから使われている薬物で、実際よく効きます。
動悸が伴う不安には、むしろビ・シフロールやレグナイトより効果的であることが多い。
また、アカシジア(静座不能)は、恐らくむずむず脚症候群と近接する疾患・症状(同じ症状を指して、これは「アカシジア」、これは「むずむず脚」などと診断されている可能性が高い)ですから、上記の薬剤は当然効きます。
さらに言うなら、リボトリールはそもそもベンゾジアゼピンなので、アカシジアのみならず、パーキンソニズム・ジストニア・ジスキネジアなど錐体外路症状全般に効果があります。

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