Googleマップの口コミに思うこと

ご覧になった方もいるでしょうが、先日あいち熊木クリニックのGoogleマップ(以前のGoogleマイビジネス)に、次のような口コミが投稿されました。

過去にADHDの発達に関する検査だと知らされず、検査を受けるように促され受けました。
結果、特に検査の診断はつかないが、この薬が良いだろうと言われて、薬を処方に関しての同意書を記入することになりました。何の薬ですか?と聞くとただ今の症状が落ち着くもの、、とのことでした。
近くの薬局で処方箋を出した際に薬剤師さんから、この薬が何の症状で出されるものかご存知ですか?と聞かれ、診察の状況を伝えると心配そうに色々とお話しいただきました。
お薬はコンサータです。
検査をADHDの発達診断に関するものであること、処方した薬は診断はつかなかったものの不注意や多動に有効であるもの…という説明がなかったことにとても不安になりました。
薬を飲むのも怖くなりました。
結局は、コンサータは私には全く効果がなかったようです。
周囲も何の変化も感じないと言われました。
(ペンネーム:ハル)

この記事を読んで、「あ~あ、またか」と脱力しました。

Googleマップへ投稿された口コミはしっかり拝読していますが、このような根も葉もない記事を目にすると、ほんとうにがっかりします。
そして、沸々と強い怒りがこみ上げてきます。
最近は、本当にこのようなものが増えており、しかるべき対処をしなくてはならなくなってきたと痛感します。

というのも、第一に今回投稿された口コミの内容が、当院には該当しないものだからです。
以下にその理由を記します。

過去にADHDの発達に関する検査だと知らされず、検査を受けるように促され受けました。

当院では、検査の目的・必要性も明かさずに検査に導くようなことを、これまでにしたことがありません。

特に検査の診断はつかないが、この薬が良いだろうと言われて、薬を処方に関しての同意書を記入することになりました。何の薬ですか?と聞くとただ今の症状が落ち着くもの、、とのことでした。

当院では、このような理由にもならない理由で投薬を行うことは一切ありません。
投薬に当たって、同意書への記載を求めることもしたことがありません。

お薬はコンサータです。
検査をADHDの発達診断に関するものであること、処方した薬は診断はつかなかったものの不注意や多動に有効であるもの…という説明がなかったことにとても不安になりました。
薬を飲むのも怖くなりました。

コンサータは、メチルフェニデートという中枢神経刺激剤で、当院では一度も処方したことがない薬剤です。
そもそもコンサータは処方に当たり、認可を受ける必要がある薬剤で、当院では臨床において必要性を感じないため、認可を受けるための申請を行っていません。
したがって、当院ではこの薬剤は処方できません。

――以上で「該当しない」と述べた理由はおわかりいただけたと思います。

さて、この口コミが、投稿すべき相手先を間違えられたものであれば、「そういうこともあるだろう」と思えます(投稿者による削除を希望しますが)。

しかし、今回の口コミが単なるミスではなく、当院宛に意図的にされたのであれば非常に問題です。

このような根も葉もない、当て推量の口コミを投稿するのは、何を目的にしているのでしょうか?

当院を貶めようとするためでしょうか?
或いは面白がって?

最近は、当院のみならず全国の医療機関において、Googleマップの口コミによる被害が問題になっています。
匿名による事実無根の投稿のため、多くの医療機関が翻弄されています。

医療機関は限られたリソースをその対応のために費やさざるをえなくなり、それは結局、回り回って患者さんの不利益へと繋がりかねないのです。

それは重大な問題です。

昨今、当院においても根も葉もない書き込みが、爆増しています。
それらはもはや看過できない域に達しています。

残念ながらGoogle社は、このような根拠の無い口コミでさえ、投稿された側が異議を申し立てても、ほとんど取り合いません。
そのような姿勢に対し、今年4月、東京都内の医師など63の個人と団体がGoogle社に対し、あわせて140万円あまりの損害賠償を求める訴えを起こしています。

“グーグルマップの不当なクチコミ投稿で権利侵害”医師ら提訴

当院としても、今後このような事実無根の記事を書き立てる方に対しては、厳しく指弾していく方針です。
必要であれば情報開示請求も厭いません。
もうこれからは、許しません。

×